- (動ラ五[四])
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- (1)その場所に行き着く。到達する。
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- 「この道は京都を経て大阪に—・る」
- 「ここから頂上に—・るまでの間には岩場が二か所もある」
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- (2)その時期・時刻になる。
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- 「会議は紛糾し、深夜に—・っても結論が出ない」
- 「四月から八月に—・る五か月間」
- 「先月家を出たまま、今に—・るまで連絡がない」
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- (3)その段階・状態になる。
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- 「大事に—・らぬうちに火事を消し止める」
- 「事ここに—・ってはもう手の打ちようがない」
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- (4)極端な例であることを示す。
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- (ア)(「…から…にいたるまで」の形で)両端のものを挙げて、すべてのものの意を表す。
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- 「社長から新人社員に—・るまで全社こぞって」
- 「髪の毛の長さからソックスの色に—・るまで規制する」
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- (イ)(「…にいたっては」の形で)前に示したものよりももっと極端な例を示す。
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- 「その日は遅刻する人が多く、S 君に—・っては一時間も遅れて来た」
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- (5)注意が十分に行き渡る。行き届く。
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- 「爰(ここ)は—・つた茶屋ぢやぞや/浮世草子・風流曲三味線 2」
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- (6)到来する。
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- 「好機—・れり」
- 「悲喜こもごも—・る」
- 「万感こもごも—・る」
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- (7)程度が高くなる。
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- (ア)最高の段階になる。
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- 「これは徳—・りたる翁(おきな)どもにて候/大鏡(昔物語)」
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- (イ)高い地位に達する。
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- 「京上りして、大納言に—・る/宇治拾遺 1」
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- (8)それのもたらした結果である。
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- 「若気の—・る所にや、かぶりの板におしあてて/狂言・文蔵」
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- 補足説明「いたす」に対する自動詞
- 可能動詞 いたれる
- 至る所(ところ)
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- (1)行くところすべて。
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- (2)どこもかしこも。
- 至れり尽くせり
- 〔荘子(斉物論)〕すべてに細かく配慮が行き届いていること。
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- 「—のもてなしを受ける」